CIC Tokyo 虎ノ門プロジェクト
CIC(ケンブリッジイノベーションセンター)は、世界9都市にイノベーションセンターを展開する企業である。イベントなどを通してイノベーションを起こすためコミュニティを形成すると同時に、圧倒的に巨大な物理的環境を提供するという戦略で、これまでアメリカやヨーロッパを中心に拠点を拡大してきた。2020年にアジア初となる拠点が東京・虎ノ門に開設された。
CIC+小堀哲夫建築事務所が内装デザインを行い、インターオフィスは造作テーブルの設計から始まり、全体の家具コーディネート、造作家具の設計を担当した。
四角形のグリッド空間の中に、ボロノイグリッドと呼ばれる、まるで細胞のように成長や分裂を繰り返すようなシステムでプランニングされている。大小さまざまなプライベートオフィスや、ミーティングルーム、イベントやコミュニティ形成のための空間で構成されるが、ひとつとして同じ大きさ・形状のものはない。廊下も見通しのきかない不整形の空間の連続で、ROJI CORNERと呼ばれる、都市の路地裏のような、居心地のよいたまり場が効果的に配置されている。
部屋の形が不整形なので、一般的な長方形のデスクを配置すると、どうしても無駄なスペースができてしまう。そこで、様々な組み合わせができるような、パターン化された天板形状のデスクを考案した。出隅入隅の部分は、部屋の形状に合わせた天板を製作し、それらの間をパターン化された天板でつなぐような計画とした。部屋の形に応じて効率的に席数を確保することができ、パターン化することにより、様々なレイアウトも可能になっている。
ミーティングルームや、様々なコミュニティスペースも、同じような空間がひとつもないことを目指し、家具においても様々なブランド、スタイルのものをセレクトしている。内装と家具を一体的に計画・デザインすることにより、都市を凝縮したような濃密な空間体験をつくりだし、イノベーションを加速する空間が実現されている。
- Project Member
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造作家具設計・製作・家具コーディネート: インターオフィス
- Partners
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設計・造作家具設計・製作・家具コーディネート: CIC+小堀哲夫建築設計事務所
写真: 長谷川健太、コワーキングスペースのみ新井隆弘(画像提供:小堀哲夫建築設計事務所)
- Spec
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東京都港区