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Career Interview

Stores Department
M.I

どうしたら、この家具の魅力を広く届けられる? そのヒントは「価値観を提示する」店づくりにある

「とにかく家具が好き。見るのも使うのも、お客様とその良さを共有して盛り上がるのも楽しい」と、うれしそうに話すM.I。彼にとってこの仕事は天職のようだ。

趣味を深めて磨いてきた知識やセンスによって、よい家具を選び、使い方を提案する。広くブランドを知ってもらうために、新しい魅力の伝え方を考える。店舗の存在感を高め、お客様とよりよい家具との出会いをプロデュースする。そんな仕事のすべてを支えるのが、彼が持つ家具への深い愛情だから。

家具が大好き。だから、みんなに楽しんでほしい

学生時代から家具が大好きです。いまも家には、椅子が20脚くらいあると思います。家具の魅力は、実際に使えるところ。ファッションは身に着けて出かけることが楽しみになるけれど、家具は家のなかにあって、誰かにわざわざ見せるものではありません。だからこそ、そんなプライベートな空間にこだわって、座り心地のいい椅子や見た目も美しいテーブル、雰囲気のいい照明なんかを揃えるのはとても贅沢なこと。日常を彩り、豊かにしてくれる最高のアイテムだと思っています。

だから、地元から上京して家具の仕事をしようと決めるまでに、迷いはありませんでした。デザイナーズ家具のトップを走っていたインターオフィスに入社したのが2007年。リテール向けのhhstyleやグループ会社のKnoll Japanなどで、セレクトショップやショールームでの販売を担当してきました。

お店の形態や自分の立ち位置は変われど、インターオフィスの家具とは長年の付き合いです。いまは2024年2月にオープンした「MAARKET トーキョー」で、店長を務めています。メインの業務は店頭での接客や売上管理ですが、そのほかにも店舗イベントの企画や運営、ディスプレイの計画といったさまざまな業務を通じて、お店からお客様にどうやって価値を届けていくか考えています。

トータルコーディネートは、家具の知識やセンスの見せ所

インターオフィスのショップは、幅広いラインナップが特徴です。MAARKET トーキョーの主軸はイームズ、プルーヴェといった有名デザインを扱うヴィトラや、モジュラー家具のUSMハラーなど。扱えるブランドが多いからこそ、空間に合わせた柔軟なコーディネートが楽しめます。ショップスタッフとしても、トータル提案ができるのは腕やセンスの見せ所です。ソファやテーブルといった大型家具だけでなく、ラグや傘立て、ゴミ箱といった細かい小物類まで見立てることができるため、提案力と商品知識がどんどん磨かれていきます。

以前、従業員4名ほどのオフィス立ち上げをご依頼くださったお客さまがいました。働き方や空間へのご要望をヒアリングし、さまざまな家具や小物をご提案。数年ごとの移転のたびに、ご依頼は続きました。

都度コミュニケーションを積み重ねるなかで信頼関係が生まれた結果、いまでは図面をお預かりして、コーディネートを全面的にお任せいただけるようになりました。お客様の事業も順調に拡大し、先日は200㎡ほどのオフィスに応接用の家具やリフレッシュエリア用のソファなどもお納めできました。自分のアイディアや知識を活かしてご相談に乗り、喜んでいただけるのは、本当に達成感がありますね。

自分たちの価値観を提示することで、お客様との接点を生む

私は、MAARKET トーキョーを“わざわざ足を運びたくなるお店”にしたいと考えています。そのためには、ほかと同じ事をしていてもダメ。質の良いものを愛するお客様に「MAARKETのセレクトは面白い」「あのコーディネートはセンスがあるね」と思っていただけるお店をつくっていかなければなりません。

そこで力を入れているのが、約2ヶ月に一度のイベントです。店舗の一角に注力したいアイテムをコーディネートして、ポップアップショップのような空間を演出します。

たとえば、いまピックアップしているのはいろいろなUSMハラー。単体ではさまざまなショップで扱われていますが、その神髄はフレキシブルな組み立てにあります。低いサイドボードのようにしたり、背の高い本棚をつくったり……さまざまな構成のディスプレイによって、使い勝手の良さをお伝えしています。

今後は、大手家具ブランドとのコラボやミラノサローネ(国際家具見本市)にまつわる企画も進行中。自社ブランドだけにこだわらず、良いと思えばほかのメーカーも巻き込んで商品をアピールしていくのも、インターオフィスの誠実さのあらわれでしょう。社外との関係性も活かし、他ブランドのクリエイターをお招きしたイベントなどを開催するのもいいですね。MAARKETが良いと思っているブランドや大切にしている価値観を提示することで、お店を知ってもらい、お客さまとの接点をつくりたいと考えています。

こうした企画を実践するのは、店長だけの仕事ではありません。販売メンバーが自発的に動き、ディスプレイやイベントなどの販促に携わっていけるのも、インターオフィスらしさ。家具が好きで、多くの人とその良さを共有したいと考えている人には、ぴったりの職場だと思います。私も、出発点は家具への関心だけ。でも、いまでは自分を幸せにしてくれた家具を通じて、お客さまをも幸せにするお手伝いができたらと感じています。